夜魔―奇―

あらすじ

「君の奥底に眠る『願望』は、何だね?」小学校の校庭に立つ、大きな桜の木。この桜は子供を攫う。咲がまだ子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。―桜の花びらは危険だ。そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。これは、『Missing』シリーズの夜色の外套を身に纏った魔人・神野陰之と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは―。甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『‐怪‐』と連動し、待望の文庫化。(「BOOK」データベースより)

夜魔―奇 (電撃文庫)

夜魔―奇 (電撃文庫)

雑感

 単行本は既読。薄刃奇譚が一番痛々しいけど、一番お気に入りは罪科釣人奇譚かな。正気を保ったまま闇の世界に堕ちていったのが印象的でしたね。書下ろしの桜下奇譚は、ほかが人間が闇の世界に踏み入れた内容だったのに、これは怪異の方が人の世界を侵略してきた話で若干毛色がちがった印象。その割には怪異の恐怖がうまく現れてなかったようだったから、そういう意味でちょっと弱いと思った。
MW文庫の−怪―も購入済みだからそっちも期待して読みましょうかね