魔王の始め方1
あらすじ
ただ一人、黙々と地下道を掘り続ける老人。その姿が突如ぎらぎらと双眸を輝かす若者へと変貌する。―彼の名はオウル。人生をかけた研究の末、ついに“魔王”となるべき資格を得たのだ!手始めにサキュバスの美女、リルと契約すると、彼は自らの国土となる広大なダンジョンの創造へと乗り出していく!人間不信の魔王が世界に挑む、ダークファンタジー&ハーレムロマンここに開幕!(引用「BOOK」データベース)
雑感
「小説家になろう」の男性向けサイト「ノクターンノベルズ」で連載されていた作品の書籍化。キルタイムコミュニケーションの新しいレーベルの創刊作品の一つ。
内容的にはダンジョン構築シュミレーションを小説にしたタイプで、パートナーであるサキュバスのリルとともにダンジョンを拡張して勢力を拡大して冒険者を撃退・時には堕とし、魔王へと上り詰めていく。エロゲに詳しい人には巣作りドラゴンを思い浮かべてもらうのが早いか。なにもないところから成り上がる下克上タイプで読後感・爽快感がグッドです。
主人公のオウルが絶妙なバランスの悪人具合だったのがこの作品で一番印象的で、自らの目的を邪魔する相手に容赦はないが利用価値がある相手の場合しっかり懐柔して取り込んでいく。人間不信で人を信頼しない分、人を動かすための飴と鞭の使い方が多彩。恐怖、快楽、絶望、契約、魔術、洗脳、調教等どれもこれも何となく勢力入りしたわけではない理由が描写されていて何章を読んでも楽しめるのがよかった。お気に入りは冒険者3人娘のシャルの落とし方。というかシャルかわいい
エロは勢力拡張の手段である面が強いので全体的に薄めだったり簡素。濃い目のシーンはヒロインを落とす手段なので先が気になってしまうタイプだったりとエロメインで読む作品とは方向性がズレる。ヒロインはみんな魅力的に描かれているのでそっちをメインで楽しもう。